【とうふ屋うかい芝店】閉店前に行けて本当に良かった。。心に残る最後の訪問記
東京タワーのすぐそばにありながら、まるで別世界のような静けさを感じられる「とうふ屋うかい 芝店」
ずっと行きたいと思っていたけれど、2026年3月31日で閉店することが決まりました。
最後に行こう!と決めてから、1番早く予約が取れる日が4ヶ月後でした。。。!
更に、個室限定、一番お値段が高い「特別会席」コースのみ。それでも最後に行きたい気持ちが強かったので、迷わず予約。
「絶対に後悔したくない…」そんな気持ちで今回やっと訪れることができました。
長屋門をくぐり、広がる日本庭園の景色を見た瞬間、
“間に合ってよかった…”そう心の中で自然に言葉がこぼれたくらい、本当に特別な空間。

歴史ある建物、美しい庭、そして名物のお豆腐料理。
この場所がもうすぐ消えてしまうなんて、今でも信じたくないけれど、最後にしっかりこの空気を味わえて本当に良かったです。
そんな気持ちを込めて、今回の体験をまとめていきます。
この記事がオススメな人
- とうふ屋うかい 芝店が閉店する前に行きたい人
- 東京タワー近くで特別感のある和食を探している人
- 記念日や大切な人との食事に使えるお店を知りたい人
- 実際の体験レポや雰囲気を詳しく知りたい人
とうふ屋うかい芝店とは?
東京タワーの真下に、約2,000坪もの広大な敷地を構える和の空間。
それが「とうふ屋うかい 芝店」です。

長屋門をくぐると、そこはもう別世界。
手入れの行き届いた日本庭園、静かに照らす灯籠、季節ごとに表情を変える植栽…。
都心とは思えないほどの静寂と、ゆったりとした時間が流れています。

建物は数寄屋造りで、個室はどの部屋からも庭園が見えるように設計されていて、
“食事に来た”というより、まるで旅館に訪れたような心地よさがあります。

名物は、自家製のお豆腐を中心とした会席料理。
やさしいのに深い味わいで、季節の食材を丁寧に仕上げた料理は、特別な日の一皿としてぴったり。
そして、こんな唯一無二の空間が
2026年3月31日で閉店することが決定 しています。
店員さんから直接伺ったのですが、芝店は “東京タワーに土地を返すため” に閉店する とのこと。
約2,000坪という広大な土地はもともと東京タワー側のもので、契約の関係で返還するタイミングが来たそうです。
だからこそ、今このタイミングで訪れることができたことが、
本当に貴重で、心から“来られてよかった”と思える場所です。
とうふ屋うかい芝店の庭園が想像以上に素敵でした
門をくぐって少し歩くと、
風情のある お土産処 が見えてきます。
思わず立ち寄りたくなる和のあたたかさがありました。

店内には、うかい特製の調味料やお菓子、季節の小物がずらりと並んでいました。
どれも上品で、手土産にも喜ばれそうなものばかり。落ち着いた雰囲気のお土産処でした。

お店に向かう途中、ふと目に入った赤い橋と鳥居がとても印象的でした。
柔らかい灯りに照らされた庭園は、まるで小さな神社のような神秘的な雰囲気で、
都心とは思えない静けさに思わず足を止めてしまうほど。

それでは、いよいよ館内へ!
ここからは、とうふ屋うかい芝店ならではの上品な空間をご紹介していきます。
館内はまるで旅館のような静けさ。特別感のある個室へ
庭園を抜け、お土産処の前を通り過ぎると、「お迎え処」の入り口が見えてきます。

この建物は、山形県米沢市にあった造り酒屋を移築して造られたもの だそうです。

今回は個室しか予約が空いていなかったので、せっかくなら…と思って 少し贅沢に個室を選びました。
広い店内へ足を踏み入れると、担当してくれる方が丁寧に館内を案内しながら、
ゆっくりとお部屋まで連れて行ってくれます。
お部屋へ向かう通路には、立派な梁や古い木の風合いが残された当時の建築がそのまま残されていて、まるで時代をさかのぼったような気持ちになります。
通路の横には、昔実際に使われていた味噌樽や、日本酒の仕込み道具 が展示されていて、造り酒屋の名残を間近で感じられる空間に。

ただ歩くだけでもワクワクするような、“歴史が息づく道”でした。
いよいよ個室に到着です!
今回は2人で利用したのですが、思わず「本当に2人でいいの…!?」と思ってしまうほど、贅沢でゆったりとした広さ。
テーブルの向こうには美しく手入れされた庭が広がり、まるで小さな別邸に招かれたかのような特別感がありました。

庭を眺めながらゆったり過ごしていると、
まるでこの空間の空気に合わせるように、静かにお料理の準備が始まります。
ここからは、とうふ屋うかいでいただいた
季節の味わいと美しい盛り付けの数々 を、順番に紹介していきます。
最初で最後かもしれない、とうふ屋うかいの季節料理を堪能
冒頭文でも書きましたが、今回の予約、4ヶ月待ちでした。
予約できる空きを探していたところ、残っていたのは個室のみ。
さらに、予約できるコースも 一番上の「特別会席」 だけだったので、今回は特別会席コースをいただくことにしました。
なかなか簡単には予約が取れないこともあって、
席に着いた時点で「来られて本当によかった…」という気持ちに。
これから始まるお料理への期待も、自然と高まります。
そんな想いを胸に、
まず運ばれてきたのが、今回いただく 特別会席の御献立 です。

最初に運ばれてきたのは、特別会席のはじまりを告げる 「芝の八寸」。
蟹やいくらを使った一品をはじめ、季節の揚げ物や焼き物などが少しずつ盛り込まれた、
まさに“季節を味わうための前菜”です。
お盆いっぱいに並ぶ料理は見た目にもとても華やかで、思わず「すごい…!」と声が出てしまうほど。
見た目が華やかで、豪華で、テンションが一気に上がりました。

芝の八寸の内容は、こちら。
・香箱蟹 キャビア
・玉生菜 蟹飽煮浸し
・ふぐ唐揚げ

まず目を引いたのは、香箱蟹にキャビアを添えた贅沢な一品。
小ぶりながらも身がぎゅっと詰まり、濃厚な蟹の旨みとキャビアの塩味が重なって、
最初の一口から特別感をしっかり感じられました。

蟹飽煮浸しやふぐなど、どれも大好物の食材ばかりで、前菜の段階から満足感がとても高い内容でした。

次に運ばれてきたのは、とうふ屋うかいの名物、桶に入った寄せとうふ。
木の香りがほんのり残る桶に入っていて、出来立てならではのなめらかさと、
大豆の甘みをしっかり感じられる味わいで、
余計なものは一切いらない、シンプルだからこその美味しさでした。

寄せとうふは、オリーブオイルと塩でいただきました。
まずはそのまま一口。大豆のやさしい甘みがふわっと広がります。
そこにオリーブオイルのコクと、塩の程よい塩味が加わることで、
とうふの旨みが一段と引き立ち、とてもシンプルなのに驚くほど満足感のある味わいでした。

実はこの寄せとうふ、桶の中のお豆腐はおかわり可能なんです。
あまりの美味しさに、
「これはもう一度食べたい…」となってしまい、ついおかわりしてしまいました。

つぎは、季節のお吸い物。
…とはいえ、一般的なお吸い物のイメージとはまったく違って、
目の前に運ばれてきたのは、まるで小鍋のような豪華な一品でした。

澄んだお出汁を温めながら、
用意された食材を好きなタイミングで入れていただくスタイル。

自分のペースで仕上げられるのが楽しく、
食材を入れて温めることで、それぞれの持ち味が引き立ち、シンプルなのに奥深い味わいでした。
次に登場したのは、もうひとつの名物 あげ田楽。
正直、ここまであげ田楽の印象が変わるとは思っていませんでした。
外側は香ばしく、中は驚くほどふんわり。そこにたっぷりとかかった甘辛い味噌が絶妙で、噛むたびにコクと旨みが広がります。

「あげ田楽って、こんなに美味しかったんだ…」と
思わず声が出そうになるほどで、
これまで食べてきた中でもダントツのおいしさでした。
何種類かお酒もいただきましたが、
中でも印象に残ったのが 名物の竹酒オリジナル(秋田)。
竹の器でいただく日本酒は、見た目からして特別感があり、個室の落ち着いた和の空間とも相性抜群でした。

次のお料理は、焼きタラバ蟹。
香ばしく焼き上げられたタラバ蟹は、身がふっくらとしていて食べ応え抜群。

火入れが絶妙で、噛むたびに蟹の甘みと旨みがじゅわっと広がります。
シンプルながらも素材の良さが際立つ一品で、特別会席ならではの贅沢さをしっかり感じられるお料理でした。

次のお料理は、
特選和牛のしゃぶしゃぶ コンソメ仕立て。
美しいサシが入った和牛は、見るからに上質で、運ばれてきた瞬間から期待が高まります。

お出汁は和風ではなく、まさかのコンソメ仕立て。
あっさりとしながらもコクがあり、和牛の旨みを引き立ててくれる上品な味わいでした。

〆は、百合根ご飯の釜炊き。
ふっくら炊き上げられたご飯の上に、
ほくほくと甘みのある百合根がたっぷりとのせられています。

派手さはないけれど、
ここまでのご馳走をすっと受け止めてくれる、やさしくて上品な味わい。
百合根ご飯には、香の物と止椀が添えられて提供していただきました。

香の物はさっぱりとした味わいで、百合根ご飯のやさしい甘みを引き立ててくれる存在。
止椀も上品で、ほっと落ち着く味わいでした。
華やかなお料理が続いたコースの最後に、心と体を静かに整えてくれるような、
とても美しい締めくくりだったと思います。
最後は、季節の甘味。
いくつか用意されている中から選べて、今回はりんごのパフェ をいただきました。
りんごのやさしい甘みと、なめらかなクリームのバランスがとても上品で、
重たさはまったくなく、食後でもすっと入る軽やかさで、美味しかったです。

庭園の景色を眺めながら、「来られて本当によかったなぁ」としみじみ思いつつ、
ゆっくりと味わう甘味の時間。
賑やかな日常から少し離れて、
静かな空間で食事の締めくくりを迎えられたこと自体が、とても贅沢な体験でした。

最後は、お部屋から見える夜の庭園をゆっくり堪能。
ライトアップされた木々や石灯籠が水面に映り、
都心にいることを忘れてしまうほど、静かで落ち着いた時間でした。

庭園を覗くと、静かな水面の中をゆったりと泳ぐ鯉の姿。
ライトに照らされた庭と相まって、その光景がとても穏やかで印象的でした。
お料理の余韻に浸りながら、
こんな景色を眺めて過ごせる時間は本当に贅沢。

長い時間をかけて予約を取ってでも訪れたくなる理由が、最後の最後までしっかり詰まっていると感じました。
心から「来てよかった」と思える一夜でした。
食事のあとは、同じ館内のBAR「吉祥庵」へ
食事の後は、同じ建物内にある 「吉祥庵」 へ。
こちらのBARは、食事を利用していなくても入れるそうですが、基本的にはボトルを注文することが必要とのこと。
今回は会席の流れで案内していただけたので、貴重な機会に訪れることができました。

店内はテーブル席も用意されていますが、今回はカウンター席でゆっくりとお酒を楽しむことに。

落ち着いた照明と静かな空気感の中、食後の余韻をそのまま味わえる、まさに“大人のためのBAR”という雰囲気でした。

この日いただいたのは、季節のフルーツを使った葡萄のシャンパンカクテル。
ほんのり甘く、葡萄の果実感がしっかり感じられつつも、後味はとてもすっきり。食事の余韻を邪魔しない、食後にぴったりの一杯でした。

カウンター越しに並ぶお酒を眺めながら、静かな時間の中でゆっくり味わうシャンパンカクテルは、
「ここまでがひとつの素敵な思い出になったな」と感じさせてくれる締めくくりでした。

落ち着いた空間で、食後の余韻をそのまま楽しめるのも、このお店ならでは。
印象的な締めくくりでした。
料亭ディナーとBARで使った金額は?
今回の食事と、その後に利用した館内のBARを含めて、
この日かかった金額は 合計100,380円(税込) でした。

内訳は、このような内容です。
個室利用のためお部屋代は別途かかっていますが、
予約困難な特別会席をゆっくり楽しめたので、満足感がありました。

決して気軽に使える金額ではありませんが、
料理の内容、落ち着いた空間、ゆっくり過ごせた時間まで含めて考えると、
「体験に対する支出」としては納得感のある一日だったと感じます。
まとめ:お店が無くなる前に訪れることができて、本当によかった
今回いただいた特別会席は、料理の美味しさはもちろん、静かな個室、丁寧なおもてなし、庭園を望む景色まで含めて、
最初から最後まで心に残る時間でした。
一品一品にきちんと意味があり、
ゆっくり味わうことで、このお店が大切にしてきた空気感や歴史まで感じられた気がします。
食後に立ち寄った吉祥庵も含め、
同じ館内でここまで世界観を楽しめる体験は、なかなかありません。
そして何より、このお店が無くなる前に訪れることができて本当によかったと、
しみじみと思いました。
「その場に身を置く価値」が、確かにここにはありました。
またひとつ、大切な思い出が増えた夜。
来られてよかった、そう素直に思える一日でした。
最後までご覧いただきありがとうございました。
